ワイヤー矯正後の
後戻りとは？
原因と予防方法について
解説

ワイヤー矯正の
「後戻り」とは？

歯列矯正治療を終えた後、しばらくすると歯並びが元に戻るという噂を耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。

矯正治療後の「後戻り（あともどり）」とは、歯列矯正で整えた歯並びが矯正前の位置に戻ろうとする現象のことをいいます。これはワイヤー矯正に限らずマウスピース型矯正装置（インビザライン）においても同様です。

ワイヤー矯正後
なぜ歯並びが戻る？

歯列矯正では、矯正装置を用いて動かしたい方向へと力を歯に加え続けることで徐々に歯を移動していきます。矯正治療を終えた直後は歯の周囲の組織が安定していないため、その状態のまま放置してしまうと治療前の位置に歯が戻ろうとする現象が起きるのです。

そのため、矯正治療後は整えた歯列を安定させるため（後戻り予防のため）に「保定装置（リテーナー）」をつける保定期間が設けられています。

後戻りが起きる
原因について

後戻りする理由として、矯正後にリテーナー(保定装置)を正しく使用しなかったケースも少なくありません。
また、歯は継続的に力を加えられることで移動するため、日常生活で無意識に行なっている習慣や癖が、後戻りの原因になってしまうこともあります。

例えば、頬杖をつく、舌で歯を押す、歯ぎしりする癖がある場合などです。こうした習慣や癖は自分だけではなかなか気づきにくいものですので、主治医とよく相談しておくと良いでしょう。

また、親知らずが原因で後戻りを起こすケースもあります。そのため、後戻り防止のために親知らず抜歯を検討する場合もあります。

ワイヤー矯正の
「保定装置（リテーナー）」と「保定期間」とは

保定装置（リテーナー）とは、ワイヤー矯正治療後に歯の位置を定着させるために使用する装置のことです。リテーナーを使用して歯並びを安定させる期間を「保定期間」と呼びます。

保定装置には「取り外し可能なタイプ」と「取り外しできないタイプ」の装置があり、取り外し可能な保定装置は、主に歯並び全体の維持や奥歯の噛み合わせの安定化などを目的に使用されています。

ワイヤー矯正の保定期間と
装着時間の目安

矯正治療の経過を見てワイヤー矯正の装置を外す段階になりましたら、歯列の後戻りを防ぎ、安定化をはかる保定期間に入ります。
リテーナーの装着時間や期間の目安は以下のようになります。

保定装置の装着時間

通常、保定期間の開始時には1日20時間以上の装着となります。
基本的に食事や歯磨きの時以外は装着するようにします。その後、経過を見ながら徐々に装着時間を減らし、最終ステップでは夜間のみの装着になります。
適切な装着時間は患者様によって異なりますので、主治医の指導に沿ってご使用ください。

保定期間の目安

患者様の歯並びの症状やお口の状態によって個人差はありますが、保定期間は平均2年程度が目安となります。一般的には、矯正治療にかかった期間と同程度、またはそれより少し長いくらいの保定期間をとることが多いとお考えください。

もし後戻りしてしまったら？（後戻りした場合の対処方法）

ワイヤー矯正の後戻りは、保定装置を適切に使用することで多くのケースで予防することが可能ですが、個人の生活習慣や癖など様々な要因によって後戻りが起きてしまう場合があります。

後戻りが起きた場合は、患者様のお口の状態に合わせてリテーナーで再度保定をしたり、再度矯正治療をすることで改善を図ります。
後戻りを治す矯正治療は、元々の矯正治療と比べると軽度な処置で済み、負担も大きなものにはならないことがほとんどです。

早い段階であるほど後戻りの治療費や期間も少なくできますので、気づいた時に早めに歯科医に相談しましょう。

歯科矯正は長い期間にわたる治療のため、緊急時のトラブル対処や医院への相談のしやすさもとても重要となります。
当院では豊富な症例実績をもとに、治療前から治療中、治療後におきましても患者様一人ひとりに合わせたフォローが可能です。

素敵な笑顔を獲得するために、矯正治療を無事完了できるよう一緒に頑張りましょう。

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